ミナ ペルホネン「merry-go-round」の魅力。幻と言われるテキスタイルの秘密を徹底解剖
ミナペルホネンのmerry-go-roundというテキスタイルはご存知でしょうか。2019-20 a/wに発表となったもので、ファンの間では幻のテキスタイルのような意見もチラホラ。こちらのテキスタイルのみでのアイテム展開は2019-20 a/w以降なく、piece bagやbasket bagでパッチワークの一部として入ったり、サンキューベリーバッヂ(サンキューベリーバッジ)で年に数個レベルが売り出されるのみではないかと言われています。
そんな知る人ぞ知るテキスタイル、merry-go-roundのワンピースを再度徹底解剖したいと思います。
丸みのあるコークンシルエット
merry-go-roundのワンピースは丸みのあるコークンシルエット。
体型を拾わずにストンと落ちるそのフォルムはどんな体型の方にも合うデザインだと思います。
(敢えてお伝えするとすると、骨格ウェーブはウエストの細さを生かしたようなXのラインが得意なたため、特に骨格ナチュラル、骨格ストレートの体型によく似合うのかなと思います。)


素材は分厚目のウール
ひと口に「ウール」といっても、その表情は驚くほど多彩です。 冬のニットのような、ふわふわ・もこもこした素材をイメージされる方も多いかもしれませんが、ミナ ペルホネンのウールは一味違います。
シルクと見紛うほど薄手でしなやかなものから、男性のジャケットに使われるような、かっちりと目の詰まった上品なものまで……。
今回ご紹介する「merry-go-round」のドレスに使われているのは、後者のような**「梳毛(そもう)ウール」**の質感。
毛羽立ちが少なく、キリッとした表情のこの生地だからこそ、メリーゴーランドの繊細な刺繍が美しく浮き立ち、甘くなりすぎない「大人の気品」が生まれるのです。

縫製の美しさと、プロのこだわり
色んな意見があるのだとは思いますが、縫製の美しさや丁寧さはミナペルホネンのアイテムの中でも過去一レベルだと思っています。
刺繍を切らさずに一続きで表現する技術。
これは本当に難しいらしいのです。


以前、minä perhonen materiaali Kyoto(ミナペルホネン京都のビルの3階に位置します)にて、ミナペルホネン sometimes luckyのオーダークッションをお願いしたことがあるのですが、そのときのスタッフさんから「クッションが出来上がりましたのでどうぞご確認ください。こちらは特に縫製の得意なスタッフが作ったものでして、きっとお気に召していただけるはずです。」と言われました。ん?と思い、「どのスタッフさんもお上手だと思っているのですが、作ってくださる人によっても違いがあるのですか?」と聞くと、「はい、どのスタッフももちろん丁寧には作るのですが、こちらの担当スタッフはそのとき京都店にいたスタッフでして、特にテキスタイルを崩すことなく表現したいというこだわりを持っておりまして。その者が作らせていただいております。」とのことでした。
……内心、「もしかして、あの方が作ってくださったのでは?」と嬉しさでいっぱいになったあの瞬間。
誰が作ったか、までは明かされなくとも、手に取った瞬間に「ただの製品ではない」と感じさせる熱量がそこにはありました。今回のドレスからも、同じような作り手の敬意を感じるのです。


一針一針、物語を紡ぐように施されたメリーゴーランドの刺繍。
単なる「お洋服」という枠を超えて、作り手の誇りやテキスタイルへの愛がぎゅっと詰まっているからこそ、私たちはこんなにも心惹かれるのかもしれません。
幻のテキスタイルと言われる「merry-go-round」。 もしどこかでこの子に出会うことがあったら、ぜひその「縫製の美しさ」にも目を向けてみてください。きっと、言葉以上の熱量が伝わってくるはずです。

